君とであったのは14年前、まだ体の毛が黒いだけの赤ちゃん猫の時だったね。
お父さんが勤める会社の近所の人がショップから買ってきたけれど、先住猫との折り合いが悪く、
誰か育ててくれる人はいないだろうかと会社に来たのが、君との最初の出会いだった。


それ以来、数えきれないほどたくさんの思い出が出来たね。
 1歳の時の検診だった。猫白血病で余命6ヶ月と診断されて病院通いが始まった。週に1度、
注射とお薬をもらいに半年ほど通ったね。君は車に乗って病院方向へ向かうと、察知したのか
ニャーニャーと普段の声とは違った鳴き声で鳴いたね。それ以来13年間、寛解の状態で頑張って
生きた事になる。


君は車に乗るのが大好きだったね。助手席で、ダッシュボードの所に前足をかけて背伸びしたよう
な姿勢で前を見ていた。家から離れると不安そうに鳴き、家の近くの景色を見ると安心したような
表情だった。


君の若い時はよく決闘したね。強烈な猫キック、噛み付き、かき裂き、どれ一つとっても強かった。
本当に気の強い猫だった。
 お父さんが押さえ込んで身動き出来ない様にすると、フーフーと荒い息をしてムギューと言ってい
たような覚えがあるよ。


朝方、お父さんが寝ていて起きないでいると枕元に来て、お父さんの額を前足の肉球でこすって起
こしてくれたね。あれは「朝ごはんはまだなの」と言っていたのかな。


君はお風呂が好きだったね。お湯に浸かっている様子はとても気持ちよさそうだった。だけど長毛
だったのでドライヤーで乾かすのが大変だった。大体1時間はかかったね。


お父さんが仕事から帰ってきて「ただいま」って言うと、部屋から顔だけ出して迎えてくれたね。あれ
は「お帰り」と言っていたのかな。


毎朝ブラッシングが終わるとお父さんに抱きかかえられて、お父さんの右頬にキスをするのが決ま
りだった。君は嫌がって顔をそむけていたね。可愛かったよ。


秋から冬に季節が移ろい寒くなってくると、夜寝る時はお父さんの布団の上に乗ってきたね。
6.5kgが乗っているのだから重くて大変だった。無理に動くと君が可愛そうなので寝返りも
うてなかった。
いい思い出だよ。そういえば君は鼻炎を患っていたね。よくくしゃみしていた。それも単発でなく何
回も何回もね。


脱走もしたね。3回は覚えているよ。そのうち2回はもう見つからないのではと諦めた。見つかった
時は本当に嬉しかった。それからよく散歩したね。リードをつけて歩いていると
近所の人が、「猫なの、犬なの」と聞いてきた。どこから誰が見ても立派な猫に決まっている
よね。


お父さんが寝ているとよくグルーミングをしてくれたね。毛髪を舐めて綺麗にしてくれていたんだね。
君の舌は痛くて我慢するのに困ったよ。


君は本当にいい猫だった。猫らしい猫だった。よくお父さんやお母さんの言う事を理解したよね。
君との14年間は本当に楽しい月日だった。癒しと安らぎを与えてくれてありがとうね。
病気で体重も減ってしまったけれど、最後はお母さんに抱かれて安らかに逝ったそうだね。その時の
様子をお母さんから聞いて、お父さんは本当に安堵したよ。


いくら君の事を語っても語りつくせない。      もも! もも!  もも、さようなら。また会おうよ。

平成23年8月26日 午前9時30分 もも永眠

        
inserted by FC2 system